メルボルンが理想郷だなんてとんでもないと思う
メルボルンは「世界一住みやすい街」に何度も選ばれている。
市内を歩けばホームレスが地べたに座り、お金を乞うている。あるいは、お金が尽きたと思しきバックパッカー風の女性が、寒空の下、寝袋に包まって眠っている。別の夜には、かの有名なフリンダーズストリート駅で、何らかの罪を犯した男が複数の警察官に囲まれ、まさに逮捕されようとしていた。
週末の夜ともなれば、私の部屋の窓を透して酔った女性の叫び声が聞こえる。アパートの近くにあるクラブではドラッグが蔓延しているそうだ。
もしもこの街が世界で一番住みやすい街であるならば、私はある種の絶望感すら覚える。短期滞在者としてこの街を眺めているというのに、なんというディストピアだろうと思う。
電車に乗れば、座席にはゴミが散らばっており、窓はイタズラで傷だらけだ。ああ、不正乗車をした若者が運悪く罰金を支払わされている。
これが私が目指した理想の都市だ。
だけど、まだここにしがみついていたい、そう思わせるこの街は一体何なのだろう。
Herald Sun – Melbourne named world’s most liveable city for fourth straight year