メルボルンの公共交通機関がいかにダメであるかを語ろうと思う

Photo By: Beau Giles

メルボルンの公共交通機関といえば、電車、トラム、そしてバスです。どれを利用するにもmykiというICカードを利用します。日本でもICカードはかなり昔から普及しており、なじみの深いものではありますが、メルボルンのシステムはもっと大雑把で、不具合もよく発生します。

慣れてしまえばこんなものかと思いますが、最初は戸惑うかもしれません。タッチしてから反応するまで2秒くらいかかりますし、たまに機械が故障していて全く反応しないこともあります。新型のカード読み取り機は反応が早いですが、旧式と違って残高表示してくれません。この国は本当に痒いところに手が届きません。

日本ではバスの中で現金精算をするのは割と日常的ですが、メルンボルンでは現金精算できません。しかもバス・トラムの中ではmykiを購入できないという罠が潜んでいますので旅行者は特に注意が必要です。すなわち、最寄りの駅やセブンイレブンなどであらかじめmykiを購入しておかなければバス・トラムには乗れないということ。mykiが導入される前まではバスやトラムの中でチケットを購入できるシステムだっただけに、ある意味利便性が落ちたように感じますね。

大学院の授業でもmykiは失敗プロジェクトの例として事あるごとに取り上げられており、プロジェクトマネジメントの失敗、カード読み取り機のデザインの失敗など、色々な問題を抱えているのが実情です。運賃も年々値上げされているので、腕の良いプロジェクトマネジャーでも雇って改善していただきたいところです。

不正せざるを得ない

例えばですが、旅の途中でmykiを落としてしまったら、基本的にはバスもトラムも利用できないわけです。近くに都合よくmykiを購入できる場所があれば良いですが、そうでないことも多々あります。こういう場合はどうするのが正解なのでしょうか?

みす夫の回答としては、トラムの場合は出入り口の近くに陣取り、インスペクターが外で待機しているのが見えたらそのストップで手際よく降りる。バスの場合は乗り込む際に運転手に声を掛けられなければそのまま乗り込み、もしも真面目な運転手でタッチオンしないことを咎められたら、事情を説明してみる。そのまま乗せて行ってくれることが多いでしょう。でも、こんな不正をしなければ乗れない公共交通機関っていかがなものかと思うわけです。

路線バスの旅は上級者向け

ところで、メルボルンにおけるバスというのは、色んな意味で難易度の高い乗り物です。というのも、道路の状況によって時間通りに来ないことはもちろんのこと、来るはずのバスが来なかったり、ベンチに座って待っていたのにもかかわらず、バスに目の前を素通りされてしまったりするからです。

実感として安全性も一番低く、急ブレーキ、急発進の荒い運転は日常茶飯事であり、身体が慣性の法則に従って倒れるのを防止するためにも、常に手すりに掴まるなどの自衛は必須です。

また、車内に次のストップが電光掲示されていたとしても間違っていたりしますし、そもそも表示がないバスもあります。最後の希望であるアナウンスさえ、一駅ずれているだけならまだしも、まったくアナウンスがない時もあります。初めて利用する路線だったら、手掛かりゼロです。現在はスマホがあるのでグーグルマップを表示させておけば特に問題ないですが、スマホもない、運転手に聞こうにも英語が分からないとなったら、バスは怖くて乗れるシロモノではありません。

シティ周辺を観光する分には、あまりバスに乗る必要はないでしょう。シティ内のトラムは全線無料なのに対して、バスはワンストップでも料金を支払わなくてはいけないのでコスパが悪い。しかし、時としてバスを利用しなければ目的地へ辿り着けないことがあるのも事実。もはやUberを使うのもありだけど、そこは財布と相談です。ちなみにUberは超便利です。

電車も油断ならない

日本の電車というのは、到着や出発が1分遅れただけで車掌が謝罪するくらい、時間をきっちり守って運行されています。メルボルンでは10分くらい遅れたりすることはよくあることですので、時間に余裕を持って出かけないと遅刻します。ただ、電車が動かないのは自分ではどうしようもないことなので、仕事先などに連絡さえ入れておけば、大きな問題にはならないという優しい社会とも言えるでしょう。

数年前、ある駅に到着したところで運転手が「ちょっとトイレに行かせて」という車内放送を入れ、数分後に何事もなかったかのように出発したことがあります。日本では考えられない出来事ですが、まあトイレに行きたいなら仕方ないですよね。

電車を利用するときに気を付けなければいけないのが、突然のプラットホーム変更。特にフリンダースストリート駅で起こります。駅の係員のアナウンスはしっかり聞きましょう。気づいたら全く別方向に電車が走り出したりします。しかも割とよくあります。

メルボルンの公共交通機関を支えているのは大学院留学生なのでは

学生などはConcessionという部類になり、運賃が半額になるmykiを購入できますが、一般の人は大人料金のRegularカードを使用します。どちらも見た目が全く同じなので、友達からカードを譲り受ける時には十分注意する必要があります。

資格がない人がConcessionカードを使っていることがバレると、けっこうな額の罰金を取られます。2017年現在では、有効なチケットを持っていない場合(mykiをタッチオンしていない、またはコンセッションカードの利用資格を証明出来ない場合)、$238の罰金が取られます。

以前電車に乗っていたら、目の前に座っていた人が資格がないのにコンセッションカードを使っているということで、インスペクターに問いただされていました。彼女いわく、シェアハウスの住人とカードを共有しているため、コンセッションカードであることを知らなかったという主張をしており、結局主張が認められたのか、警告だけで済んだようです。

コンセッションカードを利用できるのは、大学生や、メディケアカードという国民保険証を持っている人などですが、大学院生は対象に含まれていないので注意が必要です。
ちなみに、足を座席シートに投げ出していたりしていると罰金取られるので、車内ではお行儀良くしましょう。(罰金の詳細はこちら:http://economicdevelopment.vic.gov.au/transport/legislation/public-transport-fines

実は大学院生がコンセッション料金にならないのはビクトリア州だけです。大学院生に留学生が多いからでしょうか。おそらくそれ以外の理由として、myki自体のプロジェクトに想定以上のお金がかかっており、更なる資金が必要であることが予想されます。

まとめ:いろいろとアバウト

ここは日本ではないということを胸に刻み、理不尽なことも多々ありますが諦めて頑張りましょう。

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