語学学校選びはネット上の評判を気にしても無意味…先生の教え方の違いがクラスにもたらす影響

Photo By: Chicago 2016

メルボルンにある語学学校のIELTS※対策コースに2ヶ月通ってみて思ったこと。語学学校の良し悪しというのは結局は授業の良し悪しであって、ほぼ先生の腕次第です。そしてオーストラリアでは教師陣のクオリティと授業料は比例すると言われています。

とは言うものの、同じ学校に所属している先生が全員同じ教え方をしているわけではありません。それぞれの経験に基づく「哲学」があって、先生によって言っていることが真逆なんてこともあります。

偶然ながら、私が受講していた2ヶ月の間に担任の先生が2回も変わりました。つまり、3人の先生の教授法を体験することになったのですが、やはりそれぞれに個性があって、生徒からの評価も三者三様でした。

※IELTS:永住権の取得や大学進学に必要な英語能力試験

最初の先生は信頼厚いベテラン教師

T先生は生徒から人気があり、授業中も穏やかな空気が流れていました。クラスは多いときで15人くらいで、わからないところがあれば授業中に質問を先生に投げかけ、T先生もそれに答えてくれました。最初の頃、私は引っ込み思案であまり積極的に質問できなかったのですが、クラスの雰囲気にも慣れてきて、最終的には質問をしたりできるようになりました。褒めて伸ばすタイプの先生だったので私にはピッタリでした!

しかし、中には『IELTS対策の授業としては不十分』と考える生徒がいたのも事実。授業内容はIELTSのためのストラテジーを教えるという感じではなく、文法や前置詞などといった、英語の根本的な部分を中心に教えてくれていたのである程度スキルのある人には物足りなかったかもしれません。また、授業中にスマホをいじったり、遅刻してくる生徒も多かったです。

2人目の先生は実績あるスパルタ系

最初のT先生が別のクラスを受け持つことになり、新しい先生が来るまでの2週間のつなぎ役としてD先生がやってきました。

T先生は割と大雑把というか、教室の隅にプリント類が山のように積み重なっていても全然気にしなかったのですが、D先生は綺麗好き。担任になって数日後にはT先生が残していったプリントの山は無くなっていました。そして、遅刻厳禁。授業の開始時間になるとすぐにリスニングテストを始めたりと、いつも遅刻してくる生徒はもちろん居心地よく感じません。言うまでもなく授業中のスマホは禁止。

「T先生とは教え方の哲学が違う」と最初に発言していたD先生の授業は決して悪くありませんでした。アジア系の学生にとっては逆に慣れ親しんだ教授法かもしれません。これぞIELTS対策の授業!という感じだったし、T先生の授業に不満を持っていた生徒はD先生の授業を好ましく思っていたようです。

しかし今までのびのびやってきたラテン系の生徒は「この先生はひどい」と愚痴をこぼし、教室内の雰囲気も明らかに悪くなりました。D先生に対する反抗心でピリピリしています。先生が言うことはいちいち正論なので何も言い返せないのです。

D先生:「リーディング問題は全部文章を読んで、それから設問に答えればいい(速く読む練習をしろ)」

生徒:「そんなに速く読めない。それは先生がネイティブだから言えることだ!」

D先生:「じゃあお前は普段どのくらい英文を読んでいるんだ?」

生徒:「(ぐぬぬ…)」

 

 

ホント、おっしゃる通りなんですけどね。そうなんだけど…みたいな。

 3人目の先生は優しい新人教師(若くはない)

そして3人目の先生はひたすら優しい先生。D先生から「次の先生は元IELTSの事務局の人間」と伝えられていたので、生徒の間でほのかな期待と緊張感があったのですが、「試験官」ではなく裏方で働いていたということが判明。そしてテキストに沿ったマニュアル通りの授業展開も相まって、ある意味引き締められていたクラスの雰囲気も見事に元通り。

授業の内容もゲーム性やクラスメートとの共同作業を意識した構成で、IELTSコースっぽさがあまり無かったように思います。授業中は時間が過ぎるのが遅く感じました…。

でも、ライティング課題の添削はとっても丁寧な解説付きで返却してくれたのはありがたかったです。しかもコメントがタイピング文字なので読みやすい。というのも他の二人の先生も解説付きで返却してくれたのですが、判読不能な文字が多くて困ったからです(特にT先生)。

いずれにせよ自分が頑張るしかない。

このように、どんなにインターネットで学校の評判を調べても、担任の先生によって全然違う印象を持つことでしょう。こればっかりは実際に授業を受けてみないと分からないです。ほとんどの語学学校では体験入学ができるので、活用してみるのも良いと思います。

まあ、いくら素晴らしい授業だったとしても、自主学習を頑張らなければ効果は半減なんですけどね。いかに先生をうまく使えるかです。自身の反省も兼ねて伝えたいのは、特に特にライティングの添削は先生を有効活用すべき!ということ。自主的に毎日エッセイ1本書いて先生に見てもらったらきっと圧倒的成長ですよ。

 D先生にまつわるエトセトラ

ある日、D先生が授業終わりに「今夜パブに一緒に来た人にはビールをおごるよ!」とクラスの生徒を誘ったのですが、実際行ったのは私と私の友達(日本人)だけでした(笑)まぁそうだろうとは思ってましたけど。

 

 

パブではD先生含め、語学学校の先生が仕事終わりの一杯。D先生がこぼす愚痴を私たちが聞いたりと、立場関係なく会話を楽しみました。そのパブにはダンスフロアもあるのですが、そこで発覚した衝撃の事実。なんとD先生はDJだったのです!フロア客からの信頼も厚く、たまにGood Job!と声をかけてくるお客さんもいました。

そんなわけでビールを存分飲めた上に、DJブースからダンスホールを眺めるという貴重な経験までさせてもらえました。「語学学校の先生」ではないD先生の姿を見て、人には色々な一面があるんだなぁと思いましたし、「教師 or DJ」じゃない生き方って素敵だなぁとも思いました。

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語学学校選びはネット上の評判を気にしても無意味…先生の教え方の違いがクラスにもたらす影響” に対して2件のコメントがあります。

  1. いつも拝見してます。やはり語学学校に通っても結局自分次第ですよね。私も同じような経験をしているので、共感する記事ばかりです。これからも、楽しみにしてます。
    http://papainaus.com/find_agent/

    1. 大竹みす夫 より:

      Papaさんコメントありがとうございます!(実は私も現在Staff Solution Australiaさんにお世話になってます。大学院選びの際に丁寧なアドバイスをもらえたので助かりました。)

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